京都大学大学院医学研究科・消化器内科学 Department of Gastroenterology and Hepatology, Kyoto University Graduate School of Medicine

自己免疫疾患における抗原の同定

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2018年3月6日以降に、「承認番号(R1004)、研究課題名:自己免疫疾患における抗原の同定」の研究に同意を頂いた患者さんへ

【1】対象となる施設と責任者

京都大学消化器内科 特定病院助教 塩川 雅弘
滋賀県立総合病院 消化器内科科長 (兼) 内視鏡部部長
                 (兼)レジデントセンター長 松村 和宜
金沢大学附属病院 リウマチ・膠原病内科 講師   川野 充弘
関西電力病院 院長  千葉 勉
近畿大学医学部 腫瘍内科 講師 川上 尚人

【2】対象となる患者さん

 2018年3月以降に「自己免疫疾患における抗原の同定」で同意を頂いた方、もしくは2018年3月以降に京都大学病院で「生体試料の保管と将来の研究利用について」で同意をいただき、血液、組織を採取させていただいた患者さん。

【3】対象となる期間

 本研究の研究実施期間は2018年3月6日から2025年3月5日です。この研究のために1990年4月1日から2024年12月31日までに各病院に保存されている臨床データと血清、病理組織を使用いたします。期間を延長する場合は、倫理委員会への申請を行い、本ページにてお伝えいたします。

【4】研究目的の概要

 自己免疫疾患とは、本来は細菌ウイルスなどの外来異物に対する防御機構として働く免疫系が、自分の体の成分に対して反応してしまう疾患です。免疫系はある成分を調べて自己(自分の体の成分)か非自己(自分以外の異物)を確認し、異物(抗原)と判断すると抗体をつくり異物を排除します。しかしまれに自分の体の成分に対する抗体(自己抗体)をつくってしまうことがあり、自己抗体により様々な症状が引き起こされます。

 自己免疫疾患に対する治療としてはステロイドなどの免疫反応を抑える薬剤が効果的である場合もありますが、多くの副作用が生じる可能性があります。また診断法や有効な治療法が確立されていない疾患もあり、新たな診断法、治療法の開発が期待されています。

 新規診断法や治療法の開発には病気が発症するメカニズムの解明が重要です。

 そこで今回われわれは、自己免疫疾患が疑われる患者さんを対象に、(1)患者さんの血液や(2)病気の診断のために採取され余った病理組織(例えば、診断のために筋肉の生検や皮膚の生検を行い、診断に使用後、後日破棄するような残余組織、もしくは治療のために切除し後日破棄するような残余組織)、カルテの臨床情報(年齢、性別、診断名、病歴、服薬情報、家族歴、既往歴、画像検査、血液検査、診断検査結果、治療後の経過)を用いて発症のメカニズムを探索する研究を行いたいと思います。また、抗原の候補が見つかれば、診療応用に向けて、検査薬や治療薬の開発を行う企業とも連携して、検査キット・治療薬の開発を行いたいと考えています。臨床で使えるようにするため、臨床性能試験(診断薬として承認を得るためのデータを取得する試験)にも血液や臨床情報を使用させていただきます。

 また、この研究には自己免疫疾患の方と比較するために、(1)自己免疫疾患以外のご病気の方や、(2)自己免疫疾患以外のご病気の方の診断、治療のために採取され余った病理組織(例えば、治療のために手術し、後日破棄するような残余組織)も用います。

 この研究に協力していただくことによって、生体試料(血液・組織)、臨床情報を使って、私たちが興味を持っている自己抗体について、(1)自己抗原(抗体が反応する自分の身体の成分)探索、(2)多数の自己免疫疾患における自己抗原と病気との関連調査、(3)自己抗原の自己免疫疾患病態組織における存在・局在の探索、(4)検査方法の改良や治療薬の開発を行う研究、をします。

「生体試料の保管と将来の研究利用について」で頂いた血清、組織は自己免疫疾患の方と比較するために使用させていただきます。

【5】研究方法の概要

1) 診療情報を用いた研究について
 患者さんの診療に使用された臨床情報を研究のために使用させていただきます。生体資料と臨床情報を解析し、病気に関係する因子を研究いたします。研究のために新たに臨床情報を得ることはありません。また、臨床情報は個人が特定できないように匿名化されるため、個人情報が外部に提供されることはありません。
2) 血液を用いた研究について
 患者さんと健常人もしくは、他の自己免疫性疾患と考えられる患者さんの血液を治療前に18cc(採血管2本)採取します。この血液を解析し、どのような因子が病態にかかわるのか検討します。ステロイド等の免疫を抑える薬で治療をされる方は、治療治療後、診療用に使用され、その後破棄予定の残血清を継続的に採取させていただきます。
3) 組織を用いた研究について
 患者さんと健常人もしくは、他の疾患と考えられる患者さんの診断、治療のために採取され、余った病理組織を解析し、その病態を検討します。
4) 生体試料の保管
 保管は適正な条件下(暗所、温度や管理体制など)で行われます。なお、生体試料の保管期間は定められておらず、研究に使用した残余分がなくなるまで、あるいは年月とともに劣化することなどにより、その後の使用ができなくなるまで半永久的に保管します。後者の場合、京大病院が定めた手順と方法により廃棄されます。
5) 検査キット・治療薬開発
 ご提供いただいた生体試料、臨床情報は、検査キット・治療薬の開発のため、共同研究を行っている検査キット開発企業・治療薬開発企業に提供する可能性があります。血液や臨床情報は個人が特定できないように匿名化されるため、個人情報が外部に提供されることはありません。また、提供された生体資料、臨床情報は、共同研究終了後、それぞれの企業が定めた手順と方法により適切に廃棄されます。 できないように匿名化されるため、個人情報が外部に提供されることはありません。
6) 試料・情報の二次利用について
 ご提供いただいた生体試料や臨床情報は、新たな別の研究(診断薬開発のための臨床性能試験等の企業利用も含む)で利用する可能性があります。具体的な研究方法や利用方法が決定し、実施する際には、研究計画書を京都大学大学院医学研究科・医学部及び医学附属病院医の倫理審査委員会に提出し審査され研究機関の長の承認を受けることが条件となっています。
 倫理審査委員会は、外部委員を含む組織で、研究計画を科学的・倫理的に妥当な内容か、医学研究に関する倫理指針を遵守した内容であるかについて審査します。
 また、試料と試料に関連する情報を利用する者は、承認された範囲を超えてそれらを利用することはありません。
 もし、さらに詳細な試料関連情報(より新しい、あるいはより詳細な診療情報など)が、研究を進める上で必要となった際は、所定の手続きを経て承認された場合のみ個人情報管理者である、消化器内科・桒田威医師を介し追加情報として研究者に提供されます。

【6】個人情報保護の仕組み。

本研究では、個人情報は使用しませんので、個人情報が外部に漏れることはないと考えています。

【7】参加拒否は自由です。

参加拒否は自由であり、随時参加の撤回をすることが可能です。それにより不当な診療上の不利益を受けません。参加拒否を御希望される場合は下記に御連絡ください。

【8】研究資金について

厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患等克服研究事業)「IgG4関連疾患の診断基準ならびに治療指針の確立を目指す研究」からの研究費、もしくは、共同研究を行っている検査キット開発企業・治療薬開発企業からの共同研究費で行います。利益相反については、「京都大学利益相反ポリシー」「京都大学利益相反マネジメント規程」に従い、「京都大学利益相反審査委員会」において適切に審査・管理いたします。また、研究の資金源・提供者が解析や論文に関与すことはありません。

【9】研究の主体および問い合わせ先(電話番号、氏名など)

他の研究対象者等の個人情報および知的財産の保護等に支障がない範囲内での研究に関する資料を入手・閲覧することも可能です。ご質問などあれば、遠慮なく下記にお問い合わせください。

京都大学医学部医学研究科 消化器内科
(tel) 075-751-4319 (FAX) 075-751-4303
担当医師 塩川 雅広、桒田 威
京都大学医学部附属病院 相談支援センター
(tel) 075-751-4748 (E-mail) ctsodan@kuhp.kyoto-u.ac.jp

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