京都大学大学院医学研究科・消化器内科学 Department of Gastroenterology and Hepatology, Kyoto University Graduate School of Medicine

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内視鏡的胆管内自己拡張型金属ステント留置後の内視鏡的抜去試行例についての多施設

京都大学医学部附属病院 消化器内科では,下記の臨床研究に参加しています。この研究は京都大学大学院医学研究科・医学部及び医学部付属病院の医の倫理審査委員会の審査を受け、研究機関の長の許可を得て研究を行っています。皆様には本研究の趣旨をご理解頂き,ご協力を承りますようお願い申し上げます。

 研究を行うにあたっては,対象となる方が特定できないよう,個人情報の保護には十分な注意を払います。もし,下記研究内容に該当すると思われた方で,ご自身の検査データ等が用いられることにご質問等のある方は,下記連絡先までご連絡ください。

研究課題名:
内視鏡的胆管内自己拡張型金属ステント留置後の内視鏡的抜去試行例についての多施設共同後方視的症例集積研究 Endoscopic removal of self-expandable metallic stent after placement for the bile duct: a multicenter retrospective large-scale study (Salvage study)

主たる研究機関
宮崎大学医学部医学科 消化器内科学講座

研究代表者,実施責任者,主任研究者
河上 洋(宮崎大学医学部医学科 消化器内科学講座 教授)

分担研究者
坂 哲臣(宮崎大学医学部医学科 消化器内科学講座 助教)
久保田良政(宮崎大学医学部医学科 消化器内科学講座 助教)
その他,全国の多施設(当施設を含めて計39施設)

1.研究の概要

良・悪性胆道狭窄に伴う閉塞性黄疸に対しては内視鏡的(経乳頭的)に狭窄部に対して胆道ドレナージ術といったステント(プラスチック製あるいは金属製)を留置して胆汁の流れを確保する手技が広く行われています。

近年では良・悪性や狭窄部位を問わず,自己拡張型金属ステント(SEMS)を留置する機会が多くなっています。SEMS はカバー付き(CSEMS)とカバー無し(USEMS)の2種類に大別されています。

CSEMS は胆管のおおよそ半分より下側の遠位(中下部)胆管狭窄に対して第一選択として用いられます。また,最近では,内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST)といった結石等を取り出す際に胆管の出口である十二指腸乳頭部を切開して開口部を大きくする際の合併症として出血が挙げられますが,止血困難な場合は出血部位を圧迫する目的に CSEMS が用いられるようになってきました。遠位胆管狭窄に対する CEMS 留置後の閉塞に対しては,閉塞した CSEMS に新たな CSEMSを被せて留置するより,留置していた CSEMS を抜去した後に新たな CSEMS を留置した方がその後の開存期間が長いことが報告されています。また,良性胆道狭窄に対して,一般的に用いられているプラスチックステントを繰り返して留置せざるを得ない難治例に対しても CSEMS が用いられています。CSEMS はプラスチックステントよりも大口径であること,抜去可能であること,などより,その有用性が報告されています。EST 後の出血に対して CSEMS を留置した場合は胆管狭窄を合併していない限りは数日以内に抜去を行います。

一方で,USEMS は CSEMS と比較して抜去困難とされるため,悪性のみにその留置の適応があります。肝内胆管の細かな枝を塞がないよう,左右の胆管が合流する(悪性)肝門部領域胆管閉塞に対して留置されます。

SEMS は素材,外径,長さ,などが工夫され,各社より製品化されています。医師や施設事情によって使い分けされているのが現状であり,各種製品についての抜去の実態については明らかとはなっていません。

以上から,本研究は CSEMS 留置後の抜去の実態を探索するために,日本国内の多施設が協力して大規模データ集計への登録を行うことを計画させていただきました。

・本学の研究実施体制
 京都大学医学部医学科 消化器内科学講座
 (京都大学医学部附属病院 消化器内科)
 児玉 裕三・講師

・宮崎大学と本学以外の参加施設の名称と施設責任者の氏名と職位
 1.順天堂大学 消化器内科 伊佐山浩通・准教授
 2.手稲渓仁会病院 消化器病センター 潟沼朗生・副部長
 3.北海道大学病院 光学医療診療部 桑谷将城・助教
 4.伊達赤十字病院 消化器科 久居弘幸・部長 (副院長)
 5.東北大学 消化器内科 菅野 敦・講師
 6.仙台市医療センター 消化管・肝胆膵内科 伊藤 啓・部長
 7.群馬大学 消化器・肝臓内科 水出雅文・助教
 8.千葉大学医学部附属病院 光学医療診療部 杉山晴俊・助教
 9.亀田総合病院 消化器内科 中路 聡・部長
 10.がん研有明病院 肝胆膵内科 笹平直樹・部長
 11.東京大学 消化器内科 中井陽介・助教
 12.帝京大学附属溝口病院 消化器内科 安田一朗・教授
 13.聖マリアンナ医科大学 消化器・肝臓内科 中原一有・診療講師
 14.横浜市立大学 市民総合医療センター 消化器内科 杉森一哉・助教
 15.山梨大学 第一内科 深澤光晴・特任講師
 16.富山県立中央病院 内科 (消化器)  松田耕一郎・部長
 17.JA長野厚生連 佐久医療センター 消化器内科 比佐岳史・部長
 18.岐阜大学 第一内科 岩下拓司・臨床講師
 19.岐阜市民病院 消化器内科 向井 強・副部長
 20.愛知県がんセンター中央病院 消化器内科 原 和生・部長
 21.名古屋市立大学 消化器・代謝内科学 内藤 格・助教
 22.三重大学 消化器・肝臓内科 井上宏之・助教
 23.大阪医科大学 第二内科 小倉 健・准講師
 24.近畿大学 医学部 消化器内科 竹中 完・講師
 25.神戸大学 消化器内科 塩見英之・助教
 26.北播磨総合医療センター 消化器内科 佐貫 毅・部長
 27.日本赤十字社和歌山医療センター 消化器内科 上野山義人・副部長
 28.倉敷中央病院 消化器内科 石田悦嗣・部長
 29.広島大学 消化器・代謝内科 芹川正浩・診療講師
 30.島根大学 腫瘍センター 森山一郎・講師
 31.鳥取赤十字病院 内科 後藤大輔
 32.久留米大学 消化器内科 岡部義信・准教授
 33.熊本大学 消化器内科 階子俊平・助教
 34.熊本赤十字病院 消化器内科 浦田孝弘
 35.鹿児島大学 消化器疾患・生活習慣病学分野 橋元慎一・助教
 36.関東中央病院 消化器内科 外川 修
 37.日本赤十字社医療センター 消化器内科 伊藤由紀子

統計:東京大学大学院医学系研究科 公共健康医学専攻生物統計学分野  大庭幸治・准教授

・プロジェクト全体の統括責任者の氏名・所属・職位
 河上 洋・宮崎大学医学部医学科 消化器内科学講座・教授

2.目的

本研究は,内視鏡的(経乳頭的)に胆管内に留置した SEMS の抜去を試みた患者さんに対して,抜去成功率やその留置期間と抜去に使用した各種処置具の有効性を検討することを目的としました。

なお,この研究は,胆管ステント治療に関連する新しい知識を得ることを目的とする学術研究活動として実施されます。

3. 研究実施予定期間

この研究は,公示文書を倫理委員会承認後から平成29年12月31日まで行います。同期間内にデータの入力を行う予定です。

4.対象者

平成24年1月から平成28年12月までの期間に京都大学医学部附属病院に入院され,胆管狭窄に対して胆管内にSEMSを留置された後,抜去を試みられた方が全員対象となります。

5.方法

対象となる方のカルテ情報から,患者さんの基本情報(年齢,性別,診断名),狭窄部位(肝門部領域胆管あるいは遠位胆管),留置状況(切除可能・切除不能・切除境界・不明,良性),狭窄長,留置ステント(種類,留置径,留置長),留置期間,抜去成功の可否,抜去理由,抜去に用いた各種処置具,抜去による偶発症,追加処置,を利用させて頂き,これらの情報をもとに,1)狭窄部位別の SEMS 抜去成功率の差異,2)留置状況別の SEMS 抜去成功率の差異,3)SEMS の種類別の抜去成功率の差異,4)留置期間別の抜去成功率の差異(1ヵ月以内,1~3か月以内,3~6ヵ月以内,6~12ヵ月以内,12か月以降),5)使用した抜去処置具別の成功率の差異,6)抜去に伴う偶発症(重症度ついても調査を行います)を抽出後に解析し,SEMS 抜去成功率の比較を検討させていただきます。

これらの個人情報が漏出することのないように,患者個人を特定できないようにコード化した後に,大規模データ集計に登録します。

この研究では,上述の情報を全国の参加施設より宮崎大学へ提供し集計します.匿名化した情報の提供を行いますので、提供先の研究機関が,誰の情報であるかを特定することは,非常に難しい(あるいは不可能な)状態に加工しております。
 ・本学における情報の管理責任者:児玉 裕三・消化器内科学講座・講師
 ・提供情報試料:上述の情報
 ・提供先機関名・所在地:
宮崎大学医学部附属病院 消化器内科
 〒889-1692 宮崎県宮崎市清武町木原5200番地

6.費用負担

この研究を行うあたり,対象となる方が新たに費用を負担することは一切ありません。

7.利益および不利益

この研究にご参加いただいた場合の利益・不利益はありません。参加を拒否された場合でも同様です。

8.個人情報の保護

研究にあたっては,対象となる方の個人情報を容易に同定できないように,数字や記号などに置き換え,「匿名化された試料・情報(どの研究対象者の試料・情報であるかが直ちに判別できないよう,加工又は管理されたものに限る)」として使用いたします。

9.研究に関する情報開示について

ご希望があれば,研究計画および研究方法についての資料を閲覧することができます。ご希望がある場合は,下記連絡先へ遠慮無く申し出てください。ただし,研究の独創性確保に支障のない範囲内で情報開示を行います。

10.研究資金および利益相反について

この研究に関する経費は,実施責任者が所属する診療科の研究費(大学運営費)で賄われます。
なお,本研究の実施責任者と分担研究者は本研究に関わる企業および団体等からの経済的な利益の提供は受けていないため,利益相反はありません。
注)臨床研究における利益相反とは,研究者が当該臨床研究に関わる企業および団体等から経済的な利益(謝金,研究費,株式等)の提供を受け,その利益の存在により臨床研究の結果に影響を及ぼす可能性がある状況のことをいいます。

11.研究成果の公表

この研究で得られた研究成果を学会や医学雑誌等において発表します。この場合でも個人を特定できる情報は一切利用しません。

12.参加拒否したい場合の連絡先

この研究に参加したくない(自分のデータを使ってほしくない)方は下記連絡先へ遠慮無く申し出てください。また,参加拒否をしたい場合は平成29年 9 月30日までに申し出てください。

この研究の参加は,研究対象者の自由意思によるものであり,研究対象者から研究への参加辞退の申し出があった場合は,それまでの情報を原則破棄します。ただし,研究対象者の同意を得ることができれば,それまでの情報はそのまま使用することとします。また,学会等で公表後は破棄できません。

13.疑問,質問あるいは苦情があった場合の連絡先

この研究に関して疑問,質問あるいは苦情があった場合は下記連絡先へ連絡をお願い致します。

京都大学医学部附属病院 総務課 研究推進掛
TEL 075-751-4899
E-mail trans@kuhp.kyoto-u.ac.jp
または消化器内科医局 
TEL 075-751-4319

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